技術相談


技術相談を受け、製作したものの紹介です。

写真展に飾るタイトルのロゴプレートをつくりたい

本プロジェクトでは、中西一郎写真展「水の上の店主たち」の装飾品づくりを担当しました。この写真展は豊橋市の水上ビルに関連しており、地域の独特な都市景観とそこに暮らす店主たちの日常をテーマにしています。展示される写真は、豊橋市の水上ビル周辺の風景と人々の営みを捉え、都市と自然が交差する独自の雰囲気を表現しています。

装飾品の製作においては、展示空間との調和を重視し、ロゴプレートや装飾品を通して展示テーマがより一層引き立つよう工夫しました。特に、アクリル板の透明感を活かし、ロゴが浮かび上がるようなデザインを採用。光の加減でロゴが浮かび上がる効果を演出し、展示全体の視覚的インパクトを高めました。 また、より視覚的に目を引くような存在感を持つ作品が求められたため、装飾品やロゴプレートも大きなサイズで製作し、展示空間と一体化するデザインにしました。展示作品が大きいため、装飾品を分割して製作し後で組み合わせることで、最終的に展覧会のテーマにぴったり合った、おしゃれで印象的な装飾品が完成しました。

このプロジェクトを通じて、地域の風景や人々の営みをテーマにした中西一郎の写真がより深く伝わるような装飾品を作り上げ、豊橋市の文化に貢献できる成果を得ることができました。

使用機材:レーザー加工機、UVプリンター
素材:アクリル、MDF


自分でデザインしたオリジナル楽器スタンドをつくりたい

このプロジェクトでは、バスリコーダー用の専用楽器スタンドの製作を行いました。スタンドの設計には、楽器を確実に保持できる構造が求められました。

特に、楽器を固定するためのネジ穴が重要であり、その耐久性を確認するために、3Dプリンタを使用してネジ穴部分を試作しました。これにより、木材の加工を始める前に、ネジ穴の設計がしっかりと機能するかをテストすることができました。 次に、切削機を用いてスタンドの本体を製作しました。切削機の精密な加工により、スタンドの形状やサイズが正確に再現され、耐久性を確保しました。また、スタンドの見た目にも配慮し、バスリコーダーのデザインに合うように仕上げました。さらに、スタンドの安定性を高めるため、底部に適切な重さと広さを持たせ、使用中の振動や不安定さを防ぐように設計しました。

製作後は、実際にバスリコーダーをスタンドに載せて使用感を確認し、ネジ穴部分の耐久性や安定性についても最終チェックを行いました。プロジェクトの成果として、実用的で美しい楽器スタンドが完成しました。

使用機材:3Dプリンター、切削機
素材:PLA、木材


ジオラマ用の小さい猫フィギュアをつくりたい

本作品は、光造形3Dプリンターを用いて製作したジオラマ用の小型猫フィギュアです。実在の猫フィギュアを3Dスキャナーで高精度にデータ化し、繊細な造形を再現しました。

3Dスキャニング技術により、元のフィギュアのディテールや質感を忠実にデジタルデータとして取得。そのデータを基に、光造形3Dプリンターを使用して積層の跡がほとんど目立たない滑らかな仕上がりを実現しました。

出力後は洗浄・硬化処理を施し、必要に応じて塗装や仕上加工を行い、よりリアルで魅力的な猫フィギュアとして完成させました。ジオラマの情景にリアリティを加えるデジタル技術と職人技の融合により、猫の愛らしさを最大限に引き出した作品です。

使用機材:3Dプリンター
素材:クリアレジン


タイルを組み合わせて作るオリジナルアートをつくりたい

本プロジェクトでは、UVプリンタを活用したオリジナルタイルの製作と印刷テストを行いました。複数枚のタイルを組み合わせて最終的に一つの作品に仕上げることを目的としました。

通常のCMYK印刷に加え、ホワイトインクや特殊インクを使用し、発色や質感の違いを検証しました。また、印刷後の耐久性を確認するために、マスキングテープを用いたインクの剥離テストを実施し、実用性の検証も行いました。
テストの第一段階として、ホワイトインクを下地に使用するパターンと、透明なタイルに直接印刷するパターンを比較。下地の有無による色の発色や視認性の違いを詳細に観察しました。さらに、特殊インクを用いた厚盛り印刷のテストを行い、立体感や手触りの違いを検証しました。
耐久テストでは、印刷面の耐摩耗性や接着性を確認するため、マスキングテープを貼って剥がす実験を複数回実施。タイルの素材や表面の処理によって、インクの定着具合にどのような差が出るのかを分析しました。

これらの検証を通じて、UVプリントの可能性と課題を明確にし、オリジナルタイル製作の実用的な指針を得ることができました。今後は、得られたデータを活かし、より耐久性の高い印刷技法や新たなデザイン表現の開発へとつなげていきます。

使用機材:UVプリンター
素材:タイル


持続可能なものつくり-三河材とSDGs

豊橋市SDGs推進パートナー制度を表現することを目指して、本作品は愛知県の豊かな自然が育んだ三河材を使用し、レーザー加工機とUVプリンタを駆使して制作しました。三河材はその優れた耐久力と美しい木目が特徴であり、日本の伝統的な建築や家具作りに古くから用いられてきました。

本プロジェクトでは、この地域の貴重な木材資源を活かしながら、現代のデジタル加工技術を融合させ、新たな表現の可能性を探りました。レーザー加工機による精密な彫刻を施すことで、三河材の質感を際立たせ、細部までこだわったデザインを実現しました。この際、木材の特性に合わせてパラメーターを慎重に調整し、最適な彫刻の深さや精度を追求しました。さらに、UVプリンターを用いることで、木の表面に高精細なカラープリントを施し、伝統と革新が調和する独自の作品を生み出しました。

本作品は、三河材の持つ温かみと現代技術が融合した、新しい木工アートの形を提案するものです。環境に配慮しつつ、地域資源を活用したものつくり魅力を発信することを目的としています。

使用機材:UVプリンター、レーザー加工機
素材:木材